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〈所得税の定額減税〉
2024年4月2日
給与等を支給している事業者に税務署から順次「給与等の源泉徴収事務に係る 令和6年分所得税の定額減税のしかた」というパンフレットが届いているかと思います。令和6年6月1日以後最初に支払う給与等(賞与を含む)につき源泉徴収を行う際から定額減税を行うことになります。国税庁の定額減税特設サイトでは動画でも紹介していますので早めに確認・準備を始めましょう。
①対象者
令和6年分所得税の納税者である居住者(注1)で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である人。(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注2)である方)
(注1)「居住者」とは、国内に住所を有する個人又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます。居住者以外の個人である「非居住者」は定額減税の対象となりません。
(注2)子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。
②定額減税額
特別控除の額は、次の金額の合計額です。
ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、その所得税額が限度となります。
(1)本人(居住者に限ります) 30,000円
(2)同一生計配偶者または扶養親族(いずれも居住者に限ります) 1人につき30,000円
③定額減税の実施方法
特別控除は、所得の種類によって、次の方法により実施されます。
(1) 給与所得者に係る特別控除
令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含むものとし、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している勤務先から支払われる給与等に限ります。)につき源泉徴収をされるべき所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる給与等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、年末調整により調整することとなります。(2) 公的年金等の受給者に係る特別控除
令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払われる公的年金等(確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等を除きます。)につき源泉徴収をされるべき所得税等の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる公的年金等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
なお、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)により調整することとなります。
また、確定申告による調整に関する手続については、後日改めて国税庁ホームページにおいてご案内する予定です。(3) 事業所得者等に係る特別控除
原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
予定納税の対象となる方については、令和6年7月の第1期分予定納税額から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額については、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額が11月の第2期分予定納税額から控除されます。 -
<交際費から除外される飲食費に係る見直し>
2024年4月2日
令和6年度税制改正では、交際費等の損金不算入制度について、損金不算入となる交際費等の範囲から除外される一定の飲食費に係る金額基準を1人あたり5,000円以下から1万円以下に引き上げる予定となっています。
また、事業年度ベースでの適用ではなく、支出ベースでの適用が予定されており、本年4月1日以後に支出する飲食費であれば改正後の1万円基準を適用することができます。
税抜経理を採用している場合、同改正によりインボイス制度下において、支払先がインボイス発行事業者か否かで基準となる1万円が異なります。支払先がインボイス発行事業者でない場合の基準となる金額は以下のとおりです。
・~令和8年9月30日(8割控除)
9,804円(税込10,785円)
・令和8年10月1日~令和11年9月30日(5割控除)
9,524円(税込10,477円)
・令和11年10月1日~
9,090円(税込10,000円)
※円未満端数切捨てで計算した場合
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〈令和6年5月以降、納付書の事前送付を取りやめます〉
2024年3月4日
当社の顧問先様には令和6年1月以降順次ご案内しておりますが、国税庁では、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」の実現に向けて、キャッシュレス納付の利用拡大に取り組んでいるところ、社会全体の効率化と行政コスト抑制の観点を踏まえ、令和6年5月以降に送付する分から、e-Taxにより申告書を提出している法人の方などについて、納付書の事前の送付を取りやめることとしております。
納付書を使わずに納付ができ、簡単・便利なダイレクト納付などのキャッシュレス納付の手続をご用意しておりますので、是非ご利用ください。《事前送付を行わないこととなる方》
〇e-Taxにより申告書を提出されている法人の方
〇e-Taxによる申告書の提出が義務化されている法人の方
〇e-Taxで「予定納税額の通知書」の通知を希望された個人の方
〇「納付書」を使用しない次の手段により納付されている法人・個人の方
・ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
・振替納税
・インターネットバンキング等による納付
・クレジットカード納付
・スマホアプリ納付
・コンビニ納付(QRコード)
(注)
1 現在、e-Taxを利用されず、税務署から送付された納付書で納付されている方など納付書を必要とされる方に対しては、引き続き、納付書を送付する予定としております。
2 源泉所得税の徴収高計算書や、消費税の中間申告書兼納付書については、引き続き送付する予定ですが、電子申告及びキャッシュレス納付を是非ご利用ください。
3 「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
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<経営セーフティ共済改正案>
2024年3月4日
「令和6年度税制改正大綱」により、特定の基金に対する負担金等の損金算入の特例における独立行政法人中小企業基盤整備機構が行う中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)事業に係る措置の改正について発表がありました。
経営セーフティ共済は、掛金を総額800万円まで積み立てることができ、上記特例の適用により支払日の属する事業年度に全額損金算入することが可能です。
現状では、共済契約の解除後同年度内に再契約し、1年分の掛金を前納しても全額損金算入することが可能となっています。
しかし、今回の改正により、共済契約の解除があった後、同共済契約を締結した場合には、その解除の日から同日以後2年を経過する日までの間に支出する掛金については特例の適用ができなることとなり、解約後2年間は再加入しても全額損金算入することができなくなってしまいます。
上記の改正は、令和6年10月1日以後の共済契約の解除について適用となります。
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<令和6年分所得税の定額減税>
2024年2月2日
令和6年度税制改正の大綱が決定され、令和6年分所得税において定額減税が実施されることとなりました。
「定額減税の概要」
対象者
・令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である人
「定額減税額」
・本人 30,000円
・同一生計配偶者及び扶養親族 1人につき30,000円
※減税額の計算の対象となる同一生計配偶者とは、控除対象者と生計を一にする配偶者のうち、合計所得が48万円以下の人です。
扶養親族は、所得税法の扶養親族だけでなく、16歳未満の扶養親族も含まれます。
「給与所得者に対する定額減税」
給与所得者に対する定額減税は、扶養控除等申告書を提出している給与所得者に対して、その給与の支払者のもとで、その給与等を支払う際に源泉徴収税額から定額減税を控除する方法で行われます。
令和6年6月1日以後最初に支払う給与等に対する源泉徴収税額から月次減税額を控除し、控除しきれない部分の金額は、以後令和6年中に支払う給与等に対する源泉徴収税額から順次控除します。
原則として、月次減税額の控除の対象となる人は基準日在職者となります。
※基準日在職者とは、令和6年6月1日現在、給与の支払者のもとで勤務している人のうち、給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者の人(扶養控除等申告書を提出している人)です。
上記内容の実施において、実施日までに対象者の把握、対象者の減税額の計算等が必要となりますので、扶養控除等申告書の確認や新設される「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」の提出を従業員等へ求めるなど準備を行いましょう。
その他細かな内容につきましては、下記リンクからご確認ください。
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〈電子帳簿保存法 お問合せの多いご質問(令和6年1月)〉
2024年2月2日
令和6年1月1日より電子取引データは検索要件等を満たす形で電子保存義務が開始となりました。「電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する 帳簿書類関係】、【スキャナ保存関係】、【電子取引関係】(令和5年6月版)」の公表後、質問の多かった事項について追加問として整理し、集約した追加問答集が国税庁より発表されました。一問一答では問合せの多い内容について★を付されています。適切な運用実施のため適宜Q&Aを確認していただき、当社スタッフにもお気軽にお尋ねください。
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<令和6年度税制改正の大綱>
2024年1月9日
令和5年12月22日に、令和6年度税制改正の大綱が閣議決定されました。
個人所得課税では、令和6年分の所得税について「定額による所得税額の特別控除」の実施、令和6年分の個人住民税については「定額による所得割の額の特別控除」の実施があげられています。
その他にも、法人課税では中小企業向け賃上げ促進税制に繰越控除制度の措置や資産課税での特例承継計画の提出期限の2年延長などがあげられています。
詳しくは下記リンクからご確認ください。