株式会社横浜中央経理社会保険労務士法人

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中小企業お役立ち情報税務

  • 〈電車・バス通勤者の通勤手当〉

    2021年6月2日

    税務

     役員や使用人に通常の給与に加算して支給する通勤手当や通勤定期券などは、一定の限度額まで非課税となっています。
     電車やバスなどの交通機関だけを利用している人と交通機関のほかにマイカーや自転車なども使っている人の通勤手当などの非課税となる限度額については以下のとおりです。

    Ⅰ 電車やバスだけを利用して通勤している場合

     この場合の非課税となる限度額は、通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合の通勤定期券などの金額です。
     新幹線鉄道を利用した場合の運賃等の額も「経済的かつ合理的な方法による金額」に含まれますが、グリーン料金は含まれません。
     最も経済的かつ合理的な経路及び方法による通勤手当や通勤定期券などの金額が、1か月当たり15万円を超える場合には、15万円が非課税となる限度額となります。

    Ⅱ 電車やバスなどの他にマイカーや自転車なども使って通勤している場合

     この場合の非課税となる限度額は、次の(1)と(2)を合計した金額ですが、1か月当たり15万円が限度です。

    1. (1) 電車やバスなどの交通機関を利用する場合の1か月間の通勤定期券などの金額
    2. (2) マイカーや自転車などを使って通勤する片道の距離で決まっている1か月当たりの非課税となる限度額

     1か月当たりの非課税となる限度額を超えて通勤手当や通勤定期券などを支給する場合には、超える部分の金額が給与として課税されます。
     この超える部分の金額は、通勤手当や通勤定期券などを支給した月の給与の額に上乗せして所得税及び復興特別所得税の源泉徴収を行います。
     なお、通勤手当などの非課税となる限度額は、パートやアルバイトなど短期間雇い入れる人についても、月を単位にして計算します。

    国税庁  No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当

    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2582.htm

  • 〈退職所得課税の適正化〉

    2021年6月2日

    税務

     退職所得については、長期間にわたる勤務の対価が一時期にまとめて後払いされるものであることや、退職後の生活保障的な所得であること等を考慮し、退職所得控除額を控除した残額の2分の1を退職所得金額とされてきました。

     それを前提に、意図的に短期間勤務予定の従業員の給与を下げ、代わりに高額な退職金を支払うことにより、税負担を軽減している事例が指摘されており、これを是正するために勤続年数5年以下の従業員に関する退職金について、課税が強化されることになりました。

    【改正の内容】

     短期退職手当等に係る退職所得の金額については、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額とされました。

    イ その短期退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額が300万円以下である場合・・・その残額の2分の1に相当する金額

    ロ 上記イに掲げる場合以外の場合・・・150万円とその短期退職手当等の収入金額から300万円に退職所得控除額を加算した金額を控除した残額との合計額

    *短期退職手当等とは、退職手当等のうち、退職手当等の支払をする者から短期勤続年数(勤続年数のうち、役員等以外の者としての勤続年数が5年以下であるものをいいます。)に対応する退職手当等として支払を受けるものであって、特定役員退職手当等に該当しないものをいいます。

    *勤続年数5年以下の役員等の退職手当等(特定役員退職手当等)については、2分の1課税を適用しないこととされています。

    短期退職手当等に係る退職所得の金額の計算方法

    短期退職手当等の支給額:1,000万円 勤続年数:5年 の場合

    改正前 (1,000万円-40万円×5年)×1/2=400万円

    改正後 150万円+{1,000万円-(300万円+40万円×5年)}=650万円

    適用時期 令和4年分から適用されます。

    源泉所得税の改正のあらまし(国税庁)

    https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0021004-072.pdf

  • 固定資産税の増額据え置き

    2021年5月7日

    税務

    固定資産税は、毎年1月1日に土地や家屋、償却資産を所有している者に課税される税金です。

    基本的に3年ごとに土地や建物の評価替えが行われ、その評価額をもとに課税標準額が決定されます。

    令和3年度は、3年ごとの評価替えの年に当たり、地価は上昇傾向にあったため、課税標準額は上昇する可能性がありました。

    しかし、税負担の増加により新型コロナウイルスの影響が収まった後の経済回復に悪影響が出る可能性があると判断され、土地について、令和3年度の課税額が、令和2年度を上回る場合、令和3年度の税額は据え置きになり、課税額が減る場合は、そのまま課税額の引き下げが行われることになりました。

    横浜市HPより

    令和3年度固定資産税(土地)の税額計算の仕組み 横浜市 (yokohama.lg.jp)

  • 国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請

    2021年5月7日

    税務

    法人、個人を問わず、帳簿書類については一定期間の保存義務があります。

    スキャナ保存制度とは、取引の相手先から受け取った請求書等および自己が作成したこれらの写し等の国税関係書類について、税務署長等の承認を受けた場合には、書面による保存に代えて、一定の要件の下で、スキャン文書による保存が認められる制度です。

    【手続根拠】

    電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第4条第3項、第6条第2項

    【手続対象者】

    国税関係書類の全部または一部について、スキャナで読み取った電磁的記録による保存を行おうとする保存義務者

    【提出時期】

    承認を受けようとする国税関係書類をスキャナで読み取った電磁的記録による保存に代える日の3月前の日まで

    【提出方法】

    申請書を1部(承認を受けようとする書類が次に該当する場合は2部)作成し、添付書類を添付の上、提出先に持参または送付してください。

    ①国税局において課税標準の調査および検査を行うこととされている法人の、法人税および消費税に係る書類

    ②国税局において課税標準の調査および検査を行うこととされている製造場等の酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、航空機燃料税、石油ガス税、石油石炭税、印紙税、電源開発促進税および国際観光旅客税に係る書類

    【手数料】

    不要です。

    【添付書類・部数】

    ①承認を受けようとする国税関係書類の保存を行う電子計算機処理システムの概要を記載した書類 1部

    ②承認を受けようとする国税関係書類の保存を行う電子計算機処理に関する事務手続の概要を明らかにした書類(当該電子計算機処理を他の者に委託している場合には、その委託に係る契約書の写し) 1部

    ③申請書の記載事項を補完するために必要となる書類、その他参考となるべき書類 1部

    なお、承認を受けて保存を開始する日前に作成または受領した重要書類については、所轄税務署長等に適用届出書を提出した時は、一定の要件の下、スキャナ保存することができます。市販のソフトウェアのうち、JIIMAの認証を受けているものについては、下記のリンクをご確認下さい。

    国税庁 [手続名]国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請

    https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/3030_01.htm

    国税庁 JIIMA認証情報リスト(電帳法スキャナ保存ソフト)

    https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/11.htm

    国税庁 電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】

    https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07scan/index.htm

  • 〈消費税「総額表示」の義務化〉

    2021年4月2日

    税務

    令和3年4月1日より、消費者に商品の販売やサービスの提供を行う課税事業者が、値札やチラシなどにおいて、あらかじめその取引価格を表示する際に、消費税額(地方消費税額を含みます。)を含めた価格を表示することが義務付けられました。消費者に対して、商品の販売、役務の提供などを行う場合、いわゆる小売段階の価格表示をするときには総額表示が義務付けられます。

     例えば、次に掲げるような表示が「総額表示」に該当します(例示の取引は標準税率10%が適用されるものとして記載しています。)。

    ●11,000円

    ●11,000円(税込)

    ●11,000円(税抜価格10,000円)

    ●11,000円(うち消費税額等1,000円)

    ●11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)

    ●[ポイント]

    ● 支払総額である「11,000円」さえ表示されていればよく、「消費税額等」や「税抜価格」が表示されていても構いません。

    ●例えば、「10,000円(税込11,000円)」とされた表示も、消費税額を含んだ価格が明瞭に表示されていれば、「総額表示」に該当します。

     なお、総額表示に伴い税込価格の設定を行う場合において、1円未満の端数が生じるときには、その端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法により処理しても差し支えありません。

     また総額表示の義務付けは、不特定かつ多数の者に対する値札や店内掲示、チラシあるいは商品カタログにおいて、「あらかじめ」価格を表示する場合を対象としていますから、見積書、契約書、請求書等については、総額表示義務の対象とはなりません。

    国税庁HP

    No.6902 「総額表示」の義務付け

    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6902.htm

    Q総額表示義務のない場合

    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6902_qa.htm#q1

  • <交際費等の損金不算入額>

    2021年4月2日

    税務

    交際費等の額は、原則として、その全額が損金不算入とされていますが、損金不算入額の計算に当たっては、下記(1)及び(2)の区分に応じ、一定の措置が設けられています。

    (1) 期末の資本金の額又は出資金の額が1億円以下である等の法人(注)

    イ 平成25年3月31日以前に開始する事業年度
     損金不算入額は、交際費等の額のうち、600万円(平成21年3月31日以前に終了した事業年度においては400万円となります。)に当該事業年度の月数を乗じ、これを12で除して計算した金額(以下「旧定額控除限度額」といいます。)に達するまでの金額の10%に相当する金額と、交際費等の額が旧定額控除限度額に達するまでの金額を超える場合におけるその超える部分の金額の合計額となります。

    ロ 平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度
     損金不算入額は、前記1の交際費等の額のうち、800万円に当該事業年度の月数を乗じ、これを12で除して計算した金額(以下「定額控除限度額」といいます。)に達するまでの金額を超える部分の金額となります。

    ハ 平成26年4月1日以後に開始する事業年度
     損金不算入額は、次のいずれかの金額となります。

     ①交際費等の額のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用(専らその法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)の50%に相当する金額を超える部分の金額

     ②上記ロの金額(定額控除限度額)を超える部分の金額

    (2) 上記(1)以外の法人

    イ 平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度
     損金不算入額は、支出する交際費等の額の全額となります。

    ロ 平成26年4月1日以後に開始する事業年度
     損金不算入額は、上記(1)のハの①の金額となります。

    ハ 令和2年4月1日以後に開始する事業年度

    (イ) 期末の資本金の額又は出資金の額が100億円をこえる法人
     損金不算入額は、支出する交際費等の額の全額となります。

    (ハ) 上記(イ)以外の法人
     損金不算入額は、上記(1)のハの①の金額となります。

    (注) 法人税法第66条第6項第2号又は第3号に規定する法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人の100%子法人等)の損金不算入額は、上記(1)ではなく、上記(2)により計算します。

    詳細は国税庁のHPを参考にして下さい。

    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5265.htm

    https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/sochiho/750214/08/08_61_4a.htm

  • 修繕費と資本的支出について

    2021年3月2日

    税務

    法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となるのであるから、例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。(昭55年直法2-8「二十六」により追加)

    (1) 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額

    (2) 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額

    (3) 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額

    (注) 建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得に当たる。

    法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため、又はき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額が修繕費となるのであるが、次に掲げるような金額は、修繕費に該当する。(昭55年直法2-8「二十六」、平7年課法2-7「五」により改正)

    (1) 建物の移えい又は解体移築をした場合(移えい又は解体移築を予定して取得した建物についてした場合を除く。)におけるその移えい又は移築に要した費用の額。ただし、解体移築にあっては、旧資材の70%以上がその性質上再使用できる場合であって、当該旧資材をそのまま利用して従前の建物と同一の規模及び構造の建物を再建築するものに限る。

    (2) 機械装置の移設(7-3-12《集中生産を行う等のための機械装置の移設費》の本文の適用のある移設を除く。)に要した費用(解体費を含む。)の額

    (3) 地盤沈下した土地を沈下前の状態に回復するために行う地盛りに要した費用の額。ただし、次に掲げる場合のその地盛りに要した費用の額を除く。

    イ 土地の取得後直ちに地盛りを行った場合

    ロ 土地の利用目的の変更その他土地の効用を著しく増加するための地盛りを行った場合

    ハ 地盤沈下により評価損を計上した土地について地盛りを行った場合

    (4) 建物、機械装置等が地盤沈下により海水等の浸害を受けることとなったために行う床上げ、地上げ又は移設に要した費用の額。ただし、その床上工事等が従来の床面の構造、材質等を改良するものである等明らかに改良工事であると認められる場合のその改良部分に対応する金額を除く。

    (5) 現に使用している土地の水はけを良くする等のために行う砂利、砕石等の敷設に要した費用の額及び砂利道又は砂利路面に砂利、砕石等を補充するために要した費用の額

    他にも、「形式基準による修繕費の判定」や「資本的支出と修繕費の区分の特例」などが、通達で定められています。

    詳細は国税庁のHPを参考にして下さい。

    https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_08.htm

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