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改正電子取引 電子保存の義務化に2年の猶予
2022年1月11日
令和4年1月に施行された改正電子帳簿保存法のうち、電子データで受け取った請求書などの国税関係書類を紙で保存することを認めない「電子保存の義務化」について、令和5年12月末まで2年間猶予されます。令和4年度税制改正大綱に盛り込まれました。
【令和4年度税制改正大綱より、一部編集】
令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間の電子取引につき、所轄税務署長が当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存要件に従って保存をすることができなかったことについてやむを得ない事情があると認め、かつ、当該電磁的記録の出力書面の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている場合には、その保存要件にかかわらず、その電磁的記録の保存をすることができることとする経過措置を講ずる。
(注1) 令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報について適用する。
(注2) 上記の電子取引の取引情報に係る電磁的記録の出力書面等を保存している場合における当該電磁的記録の保存に関する上記の措置の適用については、保存要件への対応が困難な事業者の実情に配慮し、引き続き納税地等の所轄税務署長への手続を要せずその出力書面等による保存を可能とするよう、運用上、適切に配慮することとする。
要件となっている、やむを得ない事情ですが、システム整備の予算が確保できなかった、システム整備に時間がかかり間に合わなかった、社内ワークフローの整備が追いつかなかったなど、その企業の状況において対応が困難であったというのであれば、基本的にはやむを得ない事情があるとして同措置の適用対象になるとの考え方です。
また、税務署への届出も必要とはされていません。
電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】下線が変更部分です。
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電子帳簿保存法一問一答公表後の「お問い合わせの多いご質問」掲載
2021年12月2日
国税庁は11月12日、今年7月の電子帳簿保存法一問一答に係る追加問答集を公表しました。帳簿書類関係で3問、スキャナ保存関係で6問、電子取引関係で7問の計16問が新たに示され、電子取引関係の既存の4つの問に補足説明が追加されています。
Ⅰ【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】
- 追1 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるのでしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。
- 追2 既に旧法の承認を受けて電子帳簿保存を行っていますが、その場合であれば、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書の提出は不要となるのでしょうか。
- 追3 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定について、最短ではいつから適用を受けることが可能となるのでしょうか。
Ⅱ【スキャナ保存関係】
- 追1 タイムスタンプの付与要件に代えて入力期間内に訂正削除履歴の残るシステムに格納することとする場合には、例えば他社が提供するクラウドサーバにより保存を行い、当該クラウドサーバについて客観的な時刻証明機能を備えている必要があるとのことですが、自社システムで満たすことは可能でしょうか。
- 追2 検索要件の記録項目である「取引金額」については税抜、税込どちらとすべきでしょうか。
- 追3 例えば単価契約のように、取引金額が定められていない契約書や見積書等については、検索要件における「取引金額」をどのように設定すべきでしょうか。
- 追4 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるのでしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。
- 追5 電子取引の保存方法で認められているような索引簿による方法について、スキャナ保存についても適用は可能でしょうか。また適用が可能な場合に、電子取引のものと兼ねた一覧表や保存システムによることも可能でしょうか。
- 追6 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について、一度、出力して書面にしたものを、スキャナ保存することは認められますか。
Ⅲ【電子取引関係】
- 追1 電子取引で受け取った取引情報について、同じ内容のものを書面でも受領した場合、書面を正本として取り扱うことを取り決めているときでも、電子データも保存する必要がありますか。
- 追2 EDI 取引を行った場合、取引データそのものを保存する必要があるでしょうか、それとも EDI 取引項目を他の保存システムに転送し PDF データ等により保存することも可能でしょうか。
- 追3 自社のメールシステムでは受領した取引情報に係る電子データについて検索機能を備えることができません。その場合に、メールの内容をPDF等にエクスポートし、検索機能等を備えた上で保存する方法でも認められますか。
- 追4 検索要件の記録項目である「取引金額」については税抜、税込どちらとすべきでしょうか。
- 追5 例えば単価契約のように、取引金額が定められていない契約書や見積書等については、検索要件における「取引金額」をどのように設定すべきでしょうか。
- 追6 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるのでしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。
- 追7 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について、一度、出力して書面にしたものを、スキャナ保存することは認められますか。
また、補足説明は、すべて電子取引関係で、次の問番号となっています。
問24、問33、問34、問42
お問い合わせの多いご質問(国税庁HPより)
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<令和3年分の確定申告から、ふるさと納税(寄附金控除)の申告手続が簡素化されます>
2021年12月2日
1.制度の概要
寄附金控除の適用を受けるためには、確定申告書に特定寄附金の受領者が発行する寄附ごとの「寄附金の受領書」の添付が必要とされていますが、令和3年分の確定申告から、特定寄附金の受領者が地方団体であるとき(ふるさと納税であるとき)は、寄附ごとの「寄附金の受領書」に代えて、特定事業者が発行する年間寄附額を記載した「寄附金控除に関する証明書」を添付することができることとされました。
2.特定事業者とは
「寄附金控除に関する証明書」を発行することのできる特定事業者とは、地方公共団体と特定寄附金の仲介に関する契約を締結している者であって、特定寄附金が支出された事実を適正かつ確実に管理することができると認められるものとして国税庁長官が指定した者とされています。
3.特定事業者が発行する寄附金控除に関する証明書の記載事項
特定事業者が発行する「寄附金控除に関する証明書」については、次に掲げる事項を記載する必要があります。
①寄附者の氏名、住所
②その年中に仲介した寄附者の寄附総額(年間寄附額)
③特定事業者が寄附を管理している番号(寄附番号)
④寄附年月日
⑤寄附先の名称及び法人番号
⑥その他参考となるべき事項
※①から⑥(②については寄附ごとの金額)の事項については、寄附先の地方団体に連絡する必要があります。
4.寄附金控除に関する証明書の発行方法
特定事業者は、寄附金控除に関する証明書について、運営するポータルサイトから電子データで提供するほか、郵送などの方法で発行することができます。
※電子データで発行する場合、国税庁の指定するファイル形式(XML形式)での発行が必要です(PDF形式は不可)。
5.寄附金控除に関する証明書を活用した申告方法
寄附金控除に関する証明書の提供を受けた寄附者は、次の方法により確定申告を行うことができます。
①特定事業者のポータルサイトからダウンロードした証明書データをe-Taxを活用して確定申告書に添付して送信する方法
※確定申告書等作成コーナーでは、証明書データを自動反映させて控除額の計算を行うことができます(個々のデータを入力する必要がないので便利です。)。②特定事業者のポータルサイトからダウンロードした証明書データを国税庁が提供するQRコード付証明書等作成システム(注)で読み込み、これをプリントアウトした書類を確定申告書に 添付して申告する方法
(注) QRコード付証明書等作成システムについては、令和3年10月頃、更新し、「寄附金控除に関する証明書」の出力に対応する予定です。③郵送で交付を受けた証明書を確定申告書に添付して申告する方法
国税庁
令和3年分の確定申告からふるさと納税(寄附金控除)の申告手続が簡素化されます|国税庁 (nta.go.jp)
国税庁長官が指定した特定事業者一覧(令和3年11月12日現在)
国税庁長官が指定した特定事業者(令和3年11月12日現在)|国税庁 (nta.go.jp)
寄附金控除の証明書の様式
寄附金控除の証明書の記載例
(QRコード付証明書等作成システムで出力したイメージです)
QRコード付証明書等作成システムについて
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短期退職手当等Q&A
2021年11月2日
令和3年度税制改正により、勤続年数5年以下の従業員に対する退職金の支払に係る税金の計算方法が、令和4年1月1日以後支払うべき退職金等より変わります。
この短期退職手当等について、Q&Aが国税庁より公表されました。役員等勤続年数が5年以下である人に対する退職金への課税は既に強化されており、令和3年度税制改正では、一般社員についても課税が強化されました。
<短期退職手当等Q&A>
[Q1] 退職手当等について、どのような改正が行われたのですか。
[Q2] 令和3年12月31日以前に退職した使用人に対して、令和4年1月1日以後に退職手当等を支払う場合にも、改正後の法令の適用を受けるのでしょうか。
[Q3] 短期退職手当等とは、短期勤続年数に対応する退職手当等をいうとのことですが、この「短期勤続年数」に該当するか否かはどのように判定するのですか。
[Q4] 同一年中に、異なる会社からそれぞれ退職手当等の支給を受ける場合、短期退職手当等などに該当するか否かの判定はどのように行うのでしょうか。
[Q5] 一時勤務しなかった期間がある場合の勤続期間の計算方法について教えてください。
[Q6] 退職所得金額はどのように計算するのですか。
[Q7] A社が、使用人としての退職金(短期退職手当等)を支給する場合の源泉徴収税額はどのように計算すれば良いのでしょうか。
[Q8] A社から使用人としての退職金の支給を受けた者が、同じ年に、B社からも使用人としての退職金の支給を受ける場合、B社における源泉徴収税額はどのように計算すれば良いのでしょうか。
[Q9] A社とB社から使用人としての退職金の支給を受けた者が、同じ年に、C社からも役員としての退職金の支給を受ける場合、C社における源泉徴収税額はどのように計算すれば良いのでしょうか。
[Q10] 一の勤務先が、同じ年に、役員退職金と使用人としての退職金を支給する場合の源泉徴収税額はどのように計算すれば良いのでしょうか。
[Q11] 一の勤務先が、同じ年に、役員退職金と使用人としての退職金を支給する場合で、役員としての勤続期間と使用人としての勤続期間に重複する期間がある場合の源泉徴収税額はどのように計算すれば良いのでしょうか。
[Q12] 一の勤務先が、同じ年に、役員退職金と使用人としての退職金(短期退職手当等)を支給する場合で、使用人としての退職金(短期退職手当等)よりも短期退職所得控除額の方が大きい場合、源泉徴収税額はどのように計算すれば良いのでしょうか。
[Q13] G社から使用人としての退職金の支給を受けた者が、同じ年にH社からも使用人としての退職金を受ける場合、H社における源泉徴収税額はどのように計算すれば良いのでしょうか。国税庁HPより
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0021009-037_01.pdf -
年末調整 昨年と比べて変わった点
2021年11月2日
1 税務関係書類における押印義務の改正
税務署長等に提出する源泉所得税関係書類について、押印を要しないこととされました。
このため、扶養控除等申告書などの年末調整の際に使用する書類についても、従業員等に押印をしていただく必要はありません。2 源泉徴収関係書類の電磁的提供に係る改正
給与等、退職手当等又は公的年金等(以下2において「給与等」といいます。)の支払を受ける者が、給与等の支払者に対し、次に掲げる申告書の書面による提出に代えて、その申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供を行う場合の要件である、その給与等の支払者が受けるべき税務署長の承認が不要とされました。
⑴ 給与所得者の扶養控除等申告書
⑵ 従たる給与についての扶養控除等申告書
⑶ 給与所得者の配偶者控除等申告書
⑷ 給与所得者の基礎控除申告書
⑸ 給与所得者の保険料控除申告書
⑹ 給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書
⑺ 所得金額調整控除申告書
⑻ 退職所得の受給に関する申告書
⑼ 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
なお、上記の電磁的方法による提供を行う場合には、給与等の支払者が
① 電磁的方法による提供を適正に受けることができる措置を講じていること
② 提供を受けた記載事項について、その提供をした給与等の支払を受ける者を特定するための必要な措置を講じていること
③ 提供を受けた記載事項について、電子計算機の映像面への表示および書面への出力をするための必要な措置を講じていること
の全てを満たす必要があります。3 e-Taxによる申請等の拡充
税務署長等に対する申請等のうちe-Taxにより、その申請等に係る書面に記載すべき事項を入力して送信することができないものについて、書面による提出に代えて、スキャナにより読み取る方法等により作成した電磁的記録(いわゆる「イメージデータ」)を送信することにより行うことができることとされました。【年末調整手続の電子化で簡便化!】
従業員が給与の支払者に提出する控除申告書を電子データで作成し、給与の支払者に提供する場合は、保険料控除証明書等の書面(ハガキ等)での添付に代えて、保険会社等から交付を受けた控除証明書等のデータを添付することができます。
年末調整手続を電子化することにより、給与の支払者においては、保険料控除等の控除額の検算や控除証明書等のチェックが不要となるなど、年末調整手続が簡便化されます。
詳しくは、「年末調整手続きの電子化に向けた取り組みについて」をご覧ください。国税庁 令和3年分 年末調整のしかた
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2021/01.htm国税庁 年末調整手続の電子化に向けた取組について
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm -
〈2021年地価、全国全用途平均▲0.4%で2年連続下落〉
2021年10月4日
国土交通省が9月21日に公表した2021年地価調査結果によると、全国平均では、全用途平均は2年連続の下落となったが、下落率は縮小した。用途別では、住宅地は下落が継続しているが下落率が縮小した。商業地は2年連続の下落となり、下落率が拡大し、工業地は4年連続の上昇となり、上昇率が拡大した。
三大都市圏をみると、全用途平均は横ばいから上昇に転じた。住宅地は下落から横ばいに転じた。商業地は9年連続の上昇となり、上昇率が縮小した。工業地は8年連続の上昇となり、上昇率が拡大した。
地方圏をみると、全用途平均・住宅地は下落が継続しているが下落率が縮小し、商業地は2年連続の下落となり、下落率が拡大した。工業地は下落から上昇に転じた。地方圏のうち、地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では、いずれの用途でも上昇を継続しているが、全用途平均・商業地は上昇率が縮小し、住宅地・工業地は上昇率が拡大した。地方四市を除くその他の地域においては、全用途平均・住宅地は下落が継続しているが下落率が縮小し、商業地は下落が継続しているが下落率は同じ、工業地は下落から上昇に転じた。
国土交通省HPより
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_fr4_000001_00065.html -
〈住宅税制〉
2021年10月4日
住宅に関わる税制については下記のものがあり、適用要件等が毎年のように改正されています。本年中に住宅の取得・リフォーム・譲渡等があった場合は、適用を受けられるか一度ご確認いただき、不明点等ございましたら遠慮なく当社スタッフへご相談ください。
住宅の取得に利用可能な税制特例
住宅ローン減税【所得税、個人住民税】
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置【贈与税】
住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置【登録免許税】
不動産取得税に係る特例措置【不動産取得税】
新築住宅に係る税額の減額措置【固定資産税】
認定長期優良住宅に関する特例措置【所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、個人住民税】
認定低炭素住宅に関する特例措置【所得税、登録免許税】
買取再販で扱われる住宅の取得に係る特例措置【登録免許税、不動産取得税】住宅のリフォームに利用可能な税制特例
住宅ローン減税【所得税、個人住民税】
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置【贈与税】
耐震改修に関する特例措置【所得税、固定資産税】
省エネ改修に関する特例措置【所得税、固定資産税】
バリアフリー改修に関する特例措置【所得税、固定資産税】
長期優良住宅化リフォームに関する特例措置【所得税、固定資産税】
同居対応改修に関する特例措置【所得税】住宅の譲渡に利用可能な税制特例
居住用財産の譲渡に関する特例措置【所得税、個人住民税】
空き家の発生を抑制するための特例措置【所得税、個人住民税】国土交通省 住宅税制
住宅:住宅税制 – 国土交通省 (mlit.go.jp)令和3年度 国土交通省税制改正事項(住宅局関係抜粋)
スライド 1 (mlit.go.jp)