経営力向上計画の12月申請に注意
2018年12月4日
平成28年7月1日に施行した中小企業等経営強化法とは、企業が「経営力向上計画」を策定して主務大臣から認定を受けると、生産性を高めるために新たに取得した機械や装置にかかる固定資産税の軽減措置や様々な金融支援を受けることができる制度です。
【経営力向上計画の概要】
① 中小企業・小規模事業者等は、人材育成、コスト管理のマネジメントの向上や設備投資等、事業者の経営力を向上させるための取組内容等を記載した事業計画(「経営力向上計画」)を作成します。
② 計画の認定を受けた事業者は、固定資産税の軽減措置(3年間1/2に軽減)や法人税等の特例措置(即時償却、税額控除)、金融支援等(低利融資、債務保証等)の特例措置を受けることができます。
③ 認定経営革新等支援機関(主に商工会議所、商工会、中央会、金融機関、士業等)による計画策定の支援を受けられます。
中小企業庁では、昨年に引き続き、年末にかけての申請に対して注意を呼び掛けています。
経営力向上計画に基づく固定資産税軽減措置を利用する場合は、遅くとも固定資産税の賦課期日(1月1日)前まで、つまり設備を取得した年の12月31日までに経営力向上計画の認定を受ける必要があります。もし、12月31日を超えて認定を受けた場合、減税の期間が1年短い「2年」となってしまうので、注意が必要です。
そこで、3年間の減税の恩恵を受けようと、年末にかけて、かけこみ申請の急増が見込まれていますが、申請書の受理から認定まで30日程度要するほか、申請先の相違や重度の不備がある時は差戻しとなり申請書が受理されないこともあります。軽微な不備でも手続時間が長くなるケースも予想されるため、中小企業庁では、「12月に入ってからの申請は、年内に認定が得られない可能性がありますので、極力早期に申請をお願いします」と呼び掛けています。
なお、中小企業経営強化税制(即時償却・税額控除)の場合は、1月1日ではなく各企業の事業年度末が認定の期限となりますので、ご注意ください。
「税制措置・金融支援活用の手引き」
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2018/180601zeiseikinyu.pdf