所得税拡大促進税制と平成30年度税制改正
2018年3月5日
平成25年度税制改正で設けられた所得拡大促進税制は、平成30年3月末で適用期限が到来することから、平成30年度税制改正により、その内容が大きく拡充された上で、延長されることとなりました。
中小企業者等向けの制度の概要
中小企業者等向けの所得拡大促進税制は、平成30年度改正によって次のようになります。
○適用要件
継続雇用者に対する雇用者給与等支給額の前年度に対する増加割合が1.5%以上であること。
○税額控除額
全雇用者に対する雇用者給与等支給額の対前年度増加額の15%。
次の要件をいずれも満たす場合には、全雇用者に対する雇用者給与等支給額の対前年度増加額の25%となります。
・継続雇用者に対する雇用者給与等支給額の前年度に対する増加割合が2.5%以上であること。
・次のいずれかに該当すること。
①当年度の教育訓練費の額が前年度に対して10%以上増加していること。
②事業年度終了日までに中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け、その経営力向上計画に従って経営力向上が確実に行われたものとして証明がされたこと。
○税額控除限度額
税額控除額は、法人税額の20%が上限とされます。
○大法人向けの制度との選択
中小企業者等であっても、大企業向けの制度を選択することができます。
○その他の見直し
・設立事業年度は適用できません。
・地方活力向上地域等において雇用者数が増加した場合の税額控除制度を受ける場合は、現行と同様の調整を行います。
・継続雇用者の範囲について、当年度及び前年度の全期間の各月において給与等の支給を受けた雇用者で、一定のものとするほか、所要の措置が講じられます。
・継続雇用者がいない場合には、適用要件を満たさないこととされ、制度の適用をうけることができません。
適用時期
法人は、平成30年4月1日以後に開始する事業年度から、個人事業者は、平成31年分から適用されます。
平成30年度 経済産業関係 税制改正について (経済産業省資料 29ページ参照)
http://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2018/zeisei_k/pdf/zeiseikaisei.pdf