中古資産の耐用年数を利用した節税について
2017年6月2日
10万円以上の資産を購入した場合は、原則的に固定資産として計上され、一度に経費することはできずに、減価償却費として法定耐用年数に応じて費用にすることになります。そのため、お金の支出と経費の金額が一致せず、納税資金を圧迫する原因となります。
そこで、なるべく減価償却を多くすることができると節税になりますが、減価償却を多くする一つの方法として中古の資産を購入するという方法があります。
固定資産の耐用年数は、資産の種類ごと(機械装置は設備の種類ごと)に法令で定められていますが、中古資産ですと、その経過年数に応じて耐用年数も短くできます。
詳しい計算はこちらをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5404.htm
- 例① 半年間販売店に展示されていた300万円の新古の乗用車(法定耐用年数6年)を購入した場合
- 耐用年数 (6年-0.5年)+0.5年×0.2=5.6 →5年(切捨て)
- この場合ですと、耐用年数を1年短縮できたため、定率法で計算した場合減価償却は249,000円増加しました。
例② 8年落ちの測定器具(法定耐用年数5年)を35万円で購入した場合
耐用年数 5年-8年<0 →2年(最低2年)
定率法で2年の耐用年数ですと100%償却することができるため、35万円全額が費用にできます。
このように、耐用年数を短くすると費用化できる金額が多くなります。必ずしも新品である必要がない物の購入をする場合にはおすすめです。
ここで注意点を挙げておきます。
- 年度の途中で購入した場合は、月数で分割した金額が費用になるため、決算直前で購入した場合はその期ではあまり効果がありません。
- 一定の骨董品や絵画など価値の上がるものは、そもそも減価償却できませんので適用がありません。
- 中古品を購入しても、改造にお金をかけすぎた場合には改造部分が新品として評価されるため、中古耐用年数の計算が異なります。