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税務

償却資産の申告と節税方法

2017年1月10日

税務

毎年1月31日提出期限の業務に法定調書合計表の提出、給与支払報告書の提出、償却資産の申告があります。今回は償却資産の申告業務について取り上げます。

償却資産の所有者は、毎年1月31日までに1月1日(賦課期日)現在における償却資産の所有状況について、必要な事項をその所在地の市町村長に申告する義務があります。

その後、市区町村はその申告書を参考に償却資産税を課税するわけですが、土地・建物には固定資産税が課税されており、自動車には自動車税が課税されているため、簡単に説明すると土地建物、自動車以外の有形固定資産を償却資産として申告することになります。

なお、課税標準額が150万円未満の場合は償却資産税が課税されません。

この償却資産税の節税方法を3点ほどご紹介します。

①資産の所在地を正しく把握すること。償却資産税は一つの市区町村ごとに申告するため、所有している償却資産が複数の市区町村に所在している場合は各市区町村に申告することになります。このため、ある市区町村では課税標準額が免税点の150万円以下になる場合はもちろん課税されません。例えば、金型を他の市区町村の下請け会社の工場に置いている場合や、本社とは別に他の市区町村の倉庫に備品を置いてある場合などがあります。きちんと把握していないため本社の所在地でまとめて申告している場合は要注意です。

②一括償却資産の選択を活用する。主に資本金1億円以下の法人に適用できる30万円未満の資産(少額減価償却資産)の即時償却の規定を適用している場合は償却資産税の課税対象ですが、20万円未満の資産に適用できる一括償却資産として処理している場合は償却資産税の課税対象外となります。このため、20万円未満の資産の会計処理を少額減価償却資産ではなく一括償却資産として処理すれば償却資産税の節税が出来ます。とはいえ、その反面、法人税が高くなるのも困るため有利選択になりますが、赤字ぎみの会社や利益を増やしたい会社にはおすすめです。

③非課税、課税標準の特例、減免の規定を受ける。非課税の規定は、宗教法人、学校法人、社会福祉法人など公益性のある法人が対象になります。すべての会社に適用できるものではありませんが、適用を受けれるのであれば確実に節税になります。

課税標準の特例の規定は、中小事業者等が「経営力向上計画」を作成し認定を受けた場合の、一定要件を満たす機械装置に係る固定資産税が3年間半減になる制度などがあります。過去に取り上げた当社HPも参考にしてください。

https://www.yckz.co.jp/wp/archives/3844

減免の規定は各市町村により内容が異なります。例えば、市町村によっては医療法人の償却資産が減免対象になっていたりします。自社の営む業種で可能性がありそうであればその市区町村が規定を設けているかチェックしてみてください。

毎年忙しい年明けの時期ですので、バタバタと中身を吟味せずに申告されがちな業務です。今年は節税を意識してみてはいかがでしょうか?

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