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税務

配偶者控除の見直し

2016年9月2日

税務

女性の社会進出促進のために早ければ、平成29年1月にも配偶者控除の廃止が検討されています。

配偶者控除とは「少ない収入の配偶者がいる場合、納税者の税負担が軽くなる」ものです。

要件は簡単にまとめると、以下条件に当てはまれば、配偶者控除を受けることができます。

  1. 婚姻関係があること(内縁関係はNG)
  2. 納税者と同一の生計であること(単身赴任・別居でも生活費が同じならばOK)
  3. 年間の合計所得金額が38万円以下であること
  4. 青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

詳しくは国税庁HPをご確認ください。

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191.htm

本来専業主婦を扶養にしている夫に与えられていた所得控除ですので一般的には夫側に適用されます。控除額は所得から所得税38万円、住民税33万円の控除となります。

廃止された場合、実際の増税額はこれらの控除に税率をかけた金額です。

おおよそ夫の年収が300万円の方は 52,400 500万円の方は71,000 700万円の方は104,500 1,000万円の方は109,000の増税となります(所得税・住民税の合計)

廃止になった場合、よく言われる103万円の壁はなくなります。

妻の年収によって夫の所得税が変わらないので、年収が103万円を超えると損をするということが起こらなくなる為です。

130万円の壁についてもよく耳にしますので、簡単に触れておきます。

夫がサラリーマンの場合、妻の年収が130万円までであれば、年金や健康保険の被扶養者になり保険料負担がありません。

しかし、年収130万円を超えると、年金や健康保険の保険料を自分自身で支払うことになります。この保険料負担は大きい為、年収130万円というのも大きな壁になっています。

※平成28年10月より130万円の壁が人によっては、106万円の壁に変更されることになりました。

現在は週30時間以上の労働で社会保険に加入することになっています。

それが以下の条件を全て満たす場合は、社会保険に加入することになります。

  1. 週20時間以上
  2. 年収106万円以上
  3. 勤務期間1年以上
  4. 従業員501人以上の企業

※中小企業の場合、4に該当することは滅多にありませんが、今後従業員数の規制を緩和し対象者を増やしていく方向のようです。

年収130〜150万円程ですと、税金と社会保険の支払いで手取額が今までよりも少なくなってしまう為、今後は年収160万円を超えるように働く人も増えてくると思います。これが書き始めの女性の社会進出促進へと繋がっていきます。

配偶者控除の話に戻ります。

完全な廃止となった場合、増税となるのは必至ですので、代わりの制度がでてくると思われます。現在有力な案は、基礎控除を夫婦で分け合えるようにできる制度(夫婦控除)と子育て支援の拡充制度を検討しているようです。

新制度が検討中ですので、配偶者特別控除が廃止されるかどうかもわかりませんが、配偶者特別控除にも簡単に触れておきます。

妻の年収が103万円になると配偶者控除を受けることができなくなりますが、現行の制度では配偶者控除の他に「配偶者特別控除」というものがあります。

この控除は配偶者の年収が103万円超から141万円未満であれば、夫は最高で、38万円~3万円の所得控除を受けることできるものです。

詳しくは国税庁HPをご確認ください。

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1195.htm

まだまだ議論は継続中ですので、具体的な制度の内容が発表されましたら、ご紹介させていただきます。

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