定額減税 月次減税事務に誤りがあった場合の対応
2024年8月2日
定額減税の月次減税事務が6月からスタートしました。従業員の給与等から徴収した源泉所得税を税務署に納付した後に、扶養親族等の人数、月次減税事務の対象となる給与等や対象者の誤りに気づいた場合には、他の源泉徴収に関する事務と同様に、税務署に源泉所得税の追加納付や還付請求等の対応をとることができます。
基準日在職者でない者への減税実施などで過少納付の場合
定額減税の月次減税事務の対象となる基準日在職者(令和6年6月1日時点に在職する甲欄適用者)に対しては、減税額を控除した後の源泉徴収税額を原則、翌月10日に税務署に納付が必要です。令和6年分の合計所得金額が1,805万円を超える者は定額減税の対象外となりますが、たとえ1,805万円超となることが見込まれる場合であっても基準日在職者に該当する場合は月次減税事務の対象となります。
月次減税事務に誤りがあった場合、12月の年末調整で年間の所得税額との精算も可能ですが、そのままでは法令上誤った源泉徴収税額を税務署に納付していることになります。このため、過少納付の場合は不足額を追加で納付する必要があります。
例えば、基準日在職者に該当しない者に月次減税事務を実施した場合、扶養親族等に該当しない者を減税額の計算に含めている場合などでは、本来より過大に減税した状態となり、本来納付すべき源泉所得税額より少ない金額を税務署に納付していることになるため、その不足額を追加で納付することになります。
※基準日在職者に該当しない者
・令和6年6月1日以後支払う給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の乙欄や丙欄が適用される者(扶養控除等申告書を提出していない者)
・令和6年6月2日以後に給与の支払者のもとで勤務することとなった者
・令和6年5月31日以前に給与の支払者のもとを退職した者
・令和6年5月31日以前に出国して非居住者となった者
扶養親族等の人数の過少計算などで過大納付の場合
一方、基準日在職者に該当する者に月次減税事務を実施していない場合や、扶養親族等に該当する者を減税額の計算に含めていない場合などでは、本来より過少に減税した状態となるため、本来納付すべき源泉所得税額より過大な金額を税務署に納付していることになります。
この場合、「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額の還付請求」や「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額の充当届出」の手続をとることにより、その過大分の源泉徴収税額の還付等を受けることができる
参照