中小企業の金融基礎知識 連載第7回
2015年2月3日
7、金融機関から見た企業診断方法その 2~銀行格付けの話~
前項で述べたとおり、金融機関は決算書を元に独自のスコアリングに基づき、当該企業の
「格付け」を行っています。
「何もわからないくせに、勝手に人の会社を評価するな」と怒られる方もいらっしゃるか と思われますが、この「格付け」によって、融資実行の有無や、保証協会案件かプロパーか、 金利設定などが決まってきます。ですので、少しでもこの格付の事を理解したうえで、格付 けを上げる為の対策を行う事をすべきだと思います。
(1) 格付けの種類
銀行格付けは 10 段階評価によっており、種類は大きく分けて 6 つあります
1~6 正常先 :業況が順調で、かつ財務内容にも特別の問題がないと認められる
債務超過解消年数=1 年以内、債務償還年数=10 年以内
7 要注意先 :元本の返済もしくは利息の支払いが延滞している債務者
経常利益が 2 年連続赤字
債務超過解消年数=2~3 年
債務償還年数=10~15 年
8 要管理先: 利息の支払いが 3 ヶ月以上延滞している債務者
債務超過解消年数=3~4 年
債務償還年数=15~30 年
※ 金利の減免、利息の支払猶予、元本返済猶予、債権放棄等の取決 を行った債務者
9 破綻懸念先:事業を継続しているが、実質的に債務超過の状態にあり、
元本 及び利息の回収に重大な懸念がある。現在経営破綻の状況ではないが、
経営難の状態であり、今後経営破綻に陥る可能性がある
債務超過解消年数=5 年以上
債務償還年数=30 年以上
10 実質破綻先・破綻先
再建の見通しがなく、実質的に経営破綻している。
法的・形式的に経営破綻
一般的に中小企業は金融機関との正常取引を行っているところは 6~7 の間に位置付け られている事が多いようです。