〈インボイス制度改正案 令和5年度税制改正大綱〉
2023年3月2日
令和4年12月23日に閣議決定された令和5年度の税制改正大綱に基づく、インボイス制度の改正案についてご紹介します。
①小規模事業者に対する納税額に係る負担軽減措置(案)
免税事業者がインボイス発行事業者を選択した場合の負担軽減を図るため、納税額を売上税額の2割に軽減する措置を講ずる。
→業種に関わらず、売上・収入を把握するだけで消費税の申告が可能となり、簡易課税と比較しても事務負担を大幅に軽減されることとなる。
期間:インボイス制度の施行から3年間(令和5年10月1日~令和8年9月30日)
②一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(案)
基準期間における課税売上高が1億円以下である事業者については、1万円未満の課税仕入れについて、インボイスの保存が無くとも帳簿のみで仕入税額控除を可能とする。
→インボイス制度への円滑な移行とその定着を図る観点から、中小事業者を含めた一定規模以下の事業者の実務に配慮し、柔軟に対応できるよう事務負担の軽減措置を講ずることとする。
期間:インボイス制度の施行から6年間(令和5年10月1日~令和11年9月30日)
③少額な返還インボイスの交付義務の見直し(案)
事業者の実務に配慮して事務負担を軽減する観点から、少額な値引き等(1万円未満)については、返還インボイスの交付を不要とする。
→例えば決済の際に、買い手側の都合で差し引かれた振込手数料相当額やその他の経費を、売り手が「売上値引き」として処理する場合の事務負担を軽減することとする。
期間:インボイス制度の施行(令和5年10月1日)以後、期限なし
④登録手続の見直し(案)と手続の柔軟化
令和5年4月以降の申請であっても申請書に「困難な事情」の記載を求めることはせず、令和5年10月1日の登録に間に合うこととする。
→事業者の準備状況にばらつきがあることや今般、支援措置が追加されたことも踏まえての措置