<「所得税基本通達」の一部改正案を見直し>
2022年11月2日
令和4年8月1日、国税庁がパブリックコメントにて「所得税基本通達」の一部改正案に対する意見を公募したところ、反対する意見が殺到しました。
批判が殺到した改正案の内容としては、事業所得と雑所得の線引きを明確にするために、「収入金額が300万円を超えない場合については雑所得として取り扱う」というものでした。例として、会社員の給与所得以外(副業)での収入が300万円を超えない場合には、事業所得ではなく雑所得となるということです。
副業での赤字を本業の給与所得と損益通算して節税を行うことができていた一方、今回の改正案によって雑所得に区分されると損益通算ができなくなります。
これに対してパブリックコメントにて批判が殺到した結果、令和4年10月7日に国税庁が出した修正案では、「取引を記録した帳簿書類の保存がない場合には、雑所得として該当する」こととなり、取引を記録した帳簿書類を保存することによって原則として事業所得と認められることになりました。
※前提として、事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定します。