年末年始行事にかかる交際費の取扱いについて
2016年12月5日
年末年始のあいさつ回りや新年会、忘年会などで忙しい時期になりました。
この時期には毎年交際費の支出が多くなりますが、資本金1億円以下の中小企業では800万円を超える交際費には法人税がかかってくるため、ぱっと思いつくケースが税務でいう『交際費等』に該当するか例を挙げてご説明します。
- お歳暮 交際費等の定義は、得意先や仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用です。ですので、交際費に該当します。
- 取引先を集めて開催する忘年会、新年会の費用 これも交際費に該当します。自社の社員のみの忘年会、新年会は福利厚生費です。
- 取引先主催の忘年会に出席するためのタクシー 得意先等に対して自社が行う接待のために支出するものではありませんから、交際費等に該当しません。単なる旅費交通費に該当します。
- 挨拶回りの際に渡す自社の社名入りのタオルの製作費 カレンダー、手帳、手ぬぐいなどを贈与するために通常要する費用や不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用は、交際費等には含まれないものとされ、広告宣伝費となります。ただし、高額すぎるものは交際費となります。
- 歳末セールと銘打って、売上高に応じて景品を交付する費用 その景品がおおむね3,000円程度の物品で、その種類・金額が確認できるものであれば交際費に該当せず、販売促進費となります。ただし、高額なものや、あとで何を渡したか確認できないようであれば交際費になります。 このように、内容によっては交際費に該当しないものもあります。経理担当者や会計事務所に領収書だけ渡したのでは判断が付かないこともありますので、稟議書や状況のメモ書きを添えるなどして有利な会計処理ができるよう心がけてください。