〈賞与の源泉徴収税額の求め方〉
2023年7月4日
夏のボーナスの時期が近づいてきました。ボーナス(賞与)についても社会保険料や雇用保険料、所得税を徴収する必要があります。ここでは賞与の源泉徴収税額の求め方について確認してみましょう。
【概要】
賞与から源泉徴収する所得税および復興特別所得税は、原則として「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(以下、「算出率の表」といいます。)」を使って計算します。
「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している場合は「甲欄」、提出していない場合は「乙欄」を使います。
(1)賞与の定義
賞与とは、定期の給与とは別に支払われる給与等で、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるものその他これらに類するものをいいます。なお、給与等が賞与の性質を有するかどうか明らかでない場合、次のようなものは賞与に該当するものとされます。
①純益を基準として支給されるもの
②あらかじめ支給額または支給基準の定めのないもの
③あらかじめ支給期の定めのないもの。ただし、雇用契約そのものが臨時である場合のものを除きます。
④法人税法第34条第1項第2号≪事前確定届出給与≫に規定する給与(他に定期の給与を受けていない者に対して継続して毎年所定の時期に低額を支給する旨の定めに基づき支給されるものを除きます。)
⑤法人税法第34条第1項第3号に規定する業績連動給与
【計算方法・計算式】
(1)通常の場合(「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している場合)
①前月の給与から社会保険料等を差し引きます。
②算出率の表の甲欄の扶養親族等の数に応じた上記①の金額の当てはまる行と「賞与の金額に乗ずべき率」欄との交わるところに記載されている税率を求めます。
③(賞与から社会保険料等を差し引いた金額)×上記②の税率
この金額が、賞与から源泉徴収する税額になります。
(2)前月の給与の金額(社会保険料等を差し引いた金額)の10倍を超える賞与(社会保険料等を差し引いた金額)を支払う場合
①(賞与から社会保険料等を差し引いた金額)÷6(または「12」)
②上記①+(前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額)
③上記②の金額を「月額表」に当てはめて税額を求める。
④上記③の税額-(前月の給与に対する源泉徴収税額)
⑤上記④の税額×6(または「12」)
この金額が賞与から源泉徴収する税額になります。
(注)賞与の計算期間が6カ月を超える場合には、上記算式の「12」を使って計算します。
(3)前月に給与の支払がない場合
①(賞与から社会保険料等を差し引いた金額)÷6(または「12」)
②上記①の金額を「月額表」に当てはめて税額を求める。
③上記②の税額×6(または「12」)
この金額が賞与から源泉徴収する税額になります。
(注)賞与の計算期間が6カ月を超える場合には、上記算式の「12」を使って計算します。