令和4年度 賃上げ促進税制
2022年3月2日
いわゆる賃上げ税制については、2013年度からの5年間は、賃上げだけではなく雇用増でも適用可能な制度であった。また、足下ではコロナ禍における雇用対策を目的に、新卒等の新規雇用者のみを対象とした制度となっていた。これを見直し、1人ひとりの賃上げ促進に寄与する税制へと抜本的に強化する。(適用期限:令和5年度末まで)
① 大企業向け(主に資本金1億円超)
● 継続雇用者(注1)の給与(給与等支給総額)が前年度比3%以上増加した場合に、雇用者全体の賃上げ額(給与増加額)の15%の税額控除(注2)。また、前年度比4%以上増加した場合には、25%の税額控除(注2)。
ただし、資本金10億円以上かつ常時使用従業員数1,000人以上の企業については、従業員や取引債などのマルチステークホルダーへの配慮についての方針(賃上げに関するものも含む)の公表が必要。
● さらに、人的投資の要件を満たした場合には税額控除率が5%上乗せ(注2)となり、最大30%の税額控除。
② 中小企業向け
● 雇用者全体の給与(給与等支給総額)が前年度比1.5%以上増加した場合に、その増加額の15%を税額控除(注2)。また、前年度比2.5%以上増加した場合には、30%の税額控除(注2)。
● さらに、人的投資の要件を満たした場合には税額控除率が10%上乗せ(注2)となり、最大40%の税額控除。
(注1)継続雇用者とは、当期及び前期の全期間の各月分の給与等の支給がある雇用者。
(注2)控除上限は法人税額等の20%。また、税額控除の対象となる給与等支給総額は雇用保険の一般被保険者に限られない。
経済産業省(令和3年12月) 令和4年度(2022年度)経済産業関係 税制改正について
zeiseikaisei.pdf (meti.go.jp)